2012年2月1日水曜日

反省。 と、…。

来学期から部活動を始めるにあたって、まずはどの種目を立ち上げるかを
決めなければならない。そのためには、この大学にどんな用器具があり、
何が不足しているのかを把握する必要がある。

そこで、カウンターパートに聞いてみたところ、
「ほとんど全てが不足している」とのことであった。
確かに、普段スポーツ関連の用器具を見る機会は少ない。
それを自分の目で確認したく、用器具庫を見せてほしいとお願いしていたのだが
渋られていた。というのも、用器具庫は固く施錠されており、
開けるのに労するからというのがどうやら理由のようだ。
しかし実は、渋られていたのにはもう一つ理由があった。

最近、日本から発展途上国への物的援助を促す
「世界の笑顔のために」というプログラムがあって、
ほとんど全ての用器具が不足しているという話を聞いていた自分は
その締切が間近であることもあり、用器具庫の確認をする前に
本プログラムの内容をカウンターパートに話してしまったのだ。
カウンターパートはただでスポーツ用器具が貰える可能性があると考え、
用器具庫を先に私に見せてしまっては得られるものも得られなくなると思い
見せるのを渋っていたようだった。


(結局、確認したところ、本プログラムは自分の本来の活動の範疇に入る場合
受理されないため、初めから適応外だったのだが…)


私はいつでも本プログラムの申請書を提出できるように準備万端の
状態ではあったが、用器具庫を見るまでは申請書は提出できないと思っていた。
自分の目でちゃんと事実確認を済ませなければ次のステップには進めない、と。
当たり前の事だ。

そう思っていた時、ちょうどいいタイミングで生徒がサッカーか何かの
ユニフォームをカウンターパートに返却しに来た。
今がチャンスと思い、カウンターパートと生徒についていって
ようやくの思いで用器具庫を見ることができた。

中には、

数多くの用器具があった。
確かに、それらの中には壊れていたりで使い物にならないものもあったが、
使えるものも十分にあった。これだけあれば十分にいろんなことができると
思ったのが率直な感想である。問題の所在は別のところにある。そう感じた。

それを知ると同時に深く反省もした。

自分がこの大学にボランティアとしてきたことで、
なんとかこの大学の役に立ちたいと思った一心での行動でもあったが、
申請書提出期限間近であったためとは言え、
事実を確認せずに先走った行動をとってしまった。
申請書提出間際で止めていたとは言え、提出直前。。反省である。
カウンターパートに早い時点でもっと強くお願いするべきだったと思う。

また、それと同時に新たな問題を見つけた。
問題は用器具が不足していることではなく、
それらを効果的に使うための仕組みが整っていないことなのである。


私は私に用器具庫をなかなか見せてくれなかったカウンターパートが言う
「用器具庫を固く施錠しており開けるのに労する」というのは
一つの事実である思っている。おそらく間違いない。
というのも、最近始まったことではないとは思うが、大学の所有物は
頻繁に誰かの手によって盗まれている。
(そこには残念ながら本大学の生徒も含まれている。)
それを警戒する上で仕方なく扉に鍵を2つ、
さらにバッグラバー(鉄格子の扉)に南京錠を2つ付けているのだ。
これでは確かに頻繁に開け閉めするのは大変である。面倒である。

しかし、ここに問題解決の糸口がある。
大事な用器具を守るためには固く施錠することも必要だと思っている。
しかし、用器具は生徒に頻繁に使われてこそ大事なものである。
大切にしまっておいても生徒のスキル向上には結びつかない。
だからこそ、頻繁に使うものとそうでないものをまずは選別し、
頻繁に使うものは体育館(日本が無償資金援助で建てた立派な体育館)の
倉庫に鍵を付けてそこで管理するべきだと感じている。

ハード面はそれなりに充実している。あとはそれをどう使うかだ。
最終的には教師がそれら備品を管理するのではなく、
今盗む側に立たされている生徒自身に管理させるようにしたいと思っている。

最初は管理がうまくいかなくて生徒に用器具を盗られるかもしれない。
でも、生徒が部活動に真剣になって、それら用器具が自分だけでなく
自分の仲間や後輩にとってどれだけ大事なものなのかがわかってくれば
誰も盗まなくなるのではないか。
これまでと同じモノが違って見えてくるのではないだろうか。
そして、そうやって培われた心こそが教育の成果物である。

部活動の場をどうしても設定したい理由はここにある。
授業で養うことの難しいこの心を養う力が部活動にはある。
そう思っている。

そして、部活動こそが自分の最も得意なフィールドだ。
自分がこれまでの人生において最もエネルギーを注ぎ込んできたものこそが
部活動であるからだ。


残り1年と8ヶ月。どこまでできるか。。

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