2012年10月27日土曜日

Teaching Practice - DAY 3, 4 and 5


ネットの状況が芳しくなかったためまとめて更新。

10/24(水)
① Chilangoma Teachers Training College (1)
② Ngumbe Community Day Secondary School (1)

10/25(木)
③ Mulunguzi Community Day Secondary School (3)

10/26(金)
④ St Louis Montfort Community Day Secondary School (3)

以下は詳細。


科目名 Numeracy and Mathematics(数学的思考能力と数学)
対 象 初等教員養成大学生
時 間 8:00 – 9:00 (single period)
感 想 授業巡回指導の対象は中等教育(Secondary School)
だけだと思っていたが、今回は初等教員養成大学で教員の
授業指導をした。1年経ってまた新たな真実を知った。まさか
大学の教員までがうちの生徒だったなんて。こんな自分が
なんだか情けない。。授業と言えば、マラウイと言えども
大学の教員というだけあって、流石にしっかりとした授業を
していた。授業の導入段階から生徒の興味をしっかり
惹きつける上手さ、うまい具合に質問を挟んで生徒を授業に
巻き込んでいく技術から、授業の時間配分、板書の仕方、
授業の締め方、そしてそれらの一連の流れまで、綿密に
計画された、授業準備のしっかりできている授業であった。
私の方から、逆に勉強になりました、と言いたいところだ。
この授業を受けられる生徒は幸せ者だなと感じた。
いつか自分も人にそう思わせる授業をしてみたいものだ。


科目名 Mathematics (数学)
対 象 Form 1
時 間 10:25 – 11:45 (Double period)
感 想 無理数を教えていた。無理数って何だっけ?という
ところから辞書で調べながら授業を観察していた。学生の時
数学があれだけ好きだったのに、どうしたもんだと思いながら。
使う機会が無ければ、長い間脳みその引き出しから出される
ことが無ければ、こうなってしまうんだとシミジミ感じた。

③-1
科目名 Mathematics (数学)
対 象 Form 3
時 間 7:30 – 9:30 (Triple period)
感 想 教師が来なかった。校長のところに聞きに行くと、
恐らくマラリアとのこと。病欠ならしょうがない。早い復活を
願うばかり。

③-2
科目名 Physical Science (物理科学)
対 象 Form 3
時 間 9:30 – 10:10 (Single period)
感 想 マラウィアンでもこんなにテンションが低い人が
いるんだ、と思った。マラウイ到着直後のチェワ語の
マラウィアンの先生だったオースティン以来だ。授業に
対する熱はあるんだろうけど、どうしても感じにくい。
彼が発する言葉も抑揚がなく、どうしても眠くなりがち。
授業後、彼にそんなことを伝えたら、本人が「ウソ??!」
と言った表情をして驚いていた。それを見たこっちが
さらに驚いてしまった。自分では気づいてなくて、
しかもこれまで誰も何も言ってくれなかったんだね、
と思った。

③-3
科目名 Home Economics (家政学)
対 象 Form 3
時 間 10:40 – 12:00 (Double period)
感 想 お題は「小麦粉を混ぜる」。調理実習の初歩段階を
イメージしてもらえるといい。小麦粉への空気の含ませ方や
水の加え方、伸ばし方などを実際の小麦粉と各種調理器具
を使って教えていた。見ていて、やはり実際に小麦粉を
使ってやってみることで、家に帰ってからもまたやってみよう
という発想が起こりやすいだろうなと思った。また、それが
実習の一つの利点なのか~と納得しながら観察していた。

マラウイでは小麦粉よりもマンダシ粉の方が安い。
マンダシ粉で何かしら調理の仕方を教えることでそれが
直接的に彼ら彼女らのビジネスを生むことにも繋がるかもと
思いながらも授業を見ていた。例えば私はよくマンダシ粉で
お好み焼きを作る。小麦粉で作るよりも甘みがあって、
好きだ。(関西の方には邪道と言われるかもしれないが…)
しかし、新しいものが根付きにくいここマラウイでは
マンダシお好み焼きが一般的になることは
大変なことなのだろう。




④-1
科目名 Mathematics (数学)
対 象 Form 1
時 間 8:10 – 8:50 (Single period)
感 想 お題は「項の乗法」。内容は簡単だが、教師は
なかなか理解できない生徒を相手にあれやこれやと
必死であった、ように思う。こういう場面で教師の腕が
試されるのだろうなと感じた。

④-2
科目名 English literature (英文学)
対 象 Form 1
時 間 10:25 – 11:45 (Double period)
感 想 英文学を読んで、そこから筆者のどのような意図が
汲み取れるかということを生徒が主体になって考える授業
であった。なかなか思いがけない回答も生徒からでてきたが、
教師はナイスチャレンジだと言って、肯定的に捉えていたこと
が印象的であった。これは生徒がそれぞれの個性を伸ばす
上で非常に重要なことであり、日本でも同じように重んじられて
いることである。この教師には、今後もこのような対応を
続けてほしい。

④-3
科目名 Social Study (社会科)
対 象 Form 3
時 間 12:00 – 12:40 (Single period)
感 想 お題は「文化の保護」。実はこの教師、昨年度私が
体育を教えてたクラスの生徒のうちの一人であった。
彼女が生徒側にいた時はあんまりシャキッとした感じが
なかったが、今日は生徒の前に立って、額に汗を浮かべながら
一生懸命に授業をしていた。また、生徒が授業に遅れて
入ってきたのを見て、授業には遅れてこないようにときちんと
叱っていた。これまでの1週間の巡回指導の中でも同じような
シチュエーションが何度かあったが、きちんと叱ったのは
彼女だけ。私が自分の授業の中で時間厳守を毎回毎回
言い続けてきたことがここにきてこういう形で活かされて、
本当に嬉しかった。本当に伝えたくて伝えようと思っている
ことは、諦めずにメッセージを送り続ければ相手にわかって
もらえるということを実感した。


これで1週間のTeaching Practiceが終わった。
最後の最後で思いがけないプレゼントを貰ったような気分だ。
また来週から通常通りの授業が始まる。
自分の授業が教育者としての態度の一つのモデルになるように
授業準備をしっかりして、授業に取り組みたい。






2012年10月24日水曜日

Teaching Practice - DAY 2



今日のTeaching Practiceの巡回先は
Liwond Community Day Secondary Schoolの1校のみ。
そのため移動は大変楽だったが、ほぼ午前中だけで
立て続けに4人の授業指導を行うことに。
以下は詳細。


科目名 Mathematics(数学)
対 象 Form 1
時 間 7:30 – 8:50 (Double period)
感 想 線と線が交差して成す角の角度について教えていた。
なかなかしっかり教えていたように思うのだが、理数科教師の
目からはどう映るのだろうか。そんなことを考えながら授業を
見ていた。



科目名 Geography(地理学)
対 象 Form 1
時 間 8:50 – 9:30 (Single period)
感 想 風速の授業だった。授業準備もしっかりしてきたようでは
あったが、生徒の惹きつけ方が甘かったように思う。確かに
声の張りが弱く、後ろの生徒が聞いてるんだか聞いてないんだか
わからない時もあった。しかし、一つの教室に100人を詰め
込んでの授業であったし、誰がやってもけっこう難しい
のかもしれないなとも思ったり。色々考えさせられる。
自分だったらどうするだろうかという視点は常に持ち続けたい。



科目名 Physical Science(物理化学)
対 象 Form 1
時 間 9:45 – 11:05 (Double period)
感 想 この教師は一件指導案も授業準備もしっかり
してたように見えたものの、いざ100人の生徒を動かしながら
何かをしようと試みた時にボロがでてしまった。
詰めが甘かったみたいで。結局時間の関係もあり、
100人の生徒を動かす試みは断念していた。
本来はそこまで考えるのが授業準備。
それ以上に気になったのは、チラチラこちら(私)の反応を気にすること。
授業中よく目が合った。そんなに気にしなくたって評価は
変わらないのに…というよりかは、むしろ主役の生徒たちに
もっと目を向けてほしいという面ではマイナスをつけたくなる。。
でも、仕方のない部分もあるはあるのだろう。
確かに、初対面のよくわからない外国人がいきなり自分の職場に
やってきて授業評価をするわけだから、気にならないわけはない。




科目名 English(英語)
対 象 Form 3
時 間 12:00 – 12:40 (Single period)
感 想 ここで対象がForm 3に変わった。Form 3にもなれば
身体つきも変わってくる。一気に大人びる…しかし、
それでも若い。自分も年をとったんだなぁとつくづく思ってしまった。
この教師も指導案・その他授業準備共にしっかりやってたみたいだ。
私自身授業そのものを楽しむことができたし、いい授業だったと思う。


今日受け持った4人はみんな、教師をやってるというだけあって
授業に関してはしっかりやっていたと思う。
同年代くらいの4人組教師なので、良い意味で
相乗効果的なものがあるのかもしれない。
しかし、この4人でも、日本の教師と比較したら穴がたくさん
見えてくる。またその反面、両国の単純比較もどうか、とも思う。
日本人は日本人特有の、マラウィアンにはマラィアン特有の
最適な授業の形と言えるものがあるのではないかと思うからだ。
具体的にどうとか言えるわけではないのだが、
そんな気がするし、その感覚は当たっているのではないかとも思う。
根拠がなくて申し訳ないですが。
何はともあれ、いつもこれだけエネルギー全快で授業を
やってくれてればと願うばかり。
もちろん私もそうします。なんせ修行の身ですから。



そしてそして肝心の、この学校における体育の授業に関してだが…
体育の授業は無く、体育教師もいないとのこと。
また現実を突きつけられた。なんだかんだ言っても
これがマラウイにおける体育の現状。

学校の裏に立派なサッカーコート、バスケットコート、
ネットボールコートがあるにも関わらず使われてる気配がない…
学校に体育がないからじゃないのか?
体育・スポーツを教えられる教師がいないからじゃないのか?
子どもは本来身体を動かしたいものでしょ?

普段のこの学校の状況を見て知ってるわけではないのに、
そーんなことまで思ってしまう。

だって、

特に初等中等教育の期間の生徒の心身の健全な育成には
体育・スポーツは絶大な効果を示すでしょ。
もちろん身体に定期的に適度な負荷をかけることで強い身体を
作ることができるわけだけど、それ以外にも、社会性や情緒性の
向上とかと言ったたくさんの外在的価値を得ることもできる。
これは教育的観点からの考え方だけど。
違う観点からの考え方だと、あるべき姿は、
生徒がその運動自体を目的としてただ楽しみ、
競争とか達成とか表現とかの運動の機能的特性に
触れること。この感覚が自分の生活の中で特にインパクトのある
刺激的なものであれば、それはその人にとってかけがえのない
重要なものになるだろうし、そしたらその運動は
自然にある一定の負荷と継続性を有したまま、
いずれは生活の一部になっていく。
そしたらシメタもの。ただ楽しんでるように見えて、
実はその運動からいろんな恩恵を受けることになるのだから。
体育で特に楽しさを重要視するのはこのため。
その楽しさを伝えられる人が各学校に1人でもいたら、
マラウイの教育はもっと良い方向に変わるんだろうけどなぁ。
やっぱり、今目の前にいる自分の生徒に全力投球するのが
一番なんだろうなぁ、今は。


明日の巡回先は体育やってないかなぁ。


2012年10月23日火曜日

Teaching Practice - DAY 1



今日からTeaching PracticeというDistance Programmeの
授業巡回指導が始まった。金曜までの5日間の出張。
と言っても、家から通いの出張だが。
今日はBlantyreの3つのSecondary Schoolで授業指導。
指導後にSecondary Schoolでの体育の実態を少し調査。
やはりそこは体育教師として気になるところ。
以下詳細。


学校名 Blantyre Secondary School (NCSS?)
科目名 Mathematics(数学)
対 象 Form 1(?…思い出せない..)
時 間 7:40 – 8:20 (Single period)
感 想 これが国立普通中等学校というやつなのだろうか。
やたら広くて立派だった。教師の身だしなみも心なしか
ピシッとキマッテいた感じがする。授業では文字を含んだ
分数の足し算引き算を教えていた。生徒の理解力も割と良好。
体育授業について…約1回/週。用器具少ない。やはり現実はこうか。


学校名 Chichiri Secondary School
科目名 ChiChewa(チェワ語)
対 象 Form 1(?…記憶が曖昧で..)
時 間 10:00 – 11:20 (Double period)
感 想 先のBSSよりは小さいものの、それなりにしっかりした学校。
しかし、チチェワ話せない私にチチェワの授業評価をしろと
いうのはあまりにも酷ではないか?その振り分けをしたのは
うちの配属先なのだが。。授業指導案も授業も全部チチェワで
正直さっぱり。というわけで、同僚の助けを借りてどうにか。
体育授業について…約1回/週。バスケットコート有り、
バックボードあるもリング無し。ネットボールコート・リング有。
自作したネットボール用のボール有。ここでビックリ。昨年度教えていた
生徒の一人がここに配属されていた。一時的の配属であるとのことだが。
彼女によると、今日は体育の授業ないけれど、明日やるとのこと。
私が授業で教えた陸上競技のやり投げと砲丸投げをやるらしい。
道具はあるのかと聞いたら、既に自作してて手元に置いてあった。
無い道具で自作できるものはどんどん作るようにと教えたのは確かだが、
こんなに早く対応できてしまうものなのかと逆に不信感。。。
実はここマラウイでは、元来やり投げのやりと砲丸はどの学校でも
大概作って置いてあるものなのかなと思ったり。ヒドイかな、おれ。
本当は喜びたいところではあるけれども、実態はよくわかっていない
わけだから、敢えて今回は手放しでは喜ばないようにしようと思う。


学校名 Inc. Henry Hendarson Insutitute Secondary School
科目名 Physical Science(物理化学)
対 象 Form 3(?…記憶喪失.)
時 間 14:35 – 15:15 (Single period)
感 想 今日の巡回先は何だかいいとこのお坊ちゃま学校ばかりだな、
と思った。それくらいここも立派。生徒も教師の
身だしなみもGood. 流石は国内最大の商工業都市。
自分の恰好がみすぼらしく思えるくらいだった。
明日からはもっと恰好に気をつけようと決意した。
授業の内容も、共有結合だとか電子配置だとか
っていう単語が出てきて困惑。
全く覚えてないのですが。おれだけ?
体育授業について…体育の授業無し。教師も無し。
現実が更に胸に深く突き刺さった。おれのやってることって一体…

一日目にして自分の活動の意味をどうしても考えてしまう、
そんな結果になってしまった。マラウイに体育が十分に普及するまでの
先の長さを感ぜずにはいられなかった。
が、そんなことはわかっていたこと。
それを少しでもどうにかするためにここにいるわけだし、
結局自分のやるべきことは何も変わらない。
残りの任期はただただ真っ直ぐ進まなきゃ。


2012年10月20日土曜日

逞しくなって新年度を迎えたある生徒

今週から新年度1学期が始まったわけだが、生徒が授業に来ない。
生徒が来ないだけでなく、学内に教師の姿もほとんど見えない。
うちのCPはそこのところの感覚はしっかりしているようで、
この状況を見て、「大学のカレンダー上は新学期が始まってるのに
なぜ教師も生徒も来ないんだ!」と漏らしていた。
まともなカウンターパートであって良かったと思った。
私の活動がやりやすいのはひとつ、
彼のお陰と言える部分がある。

そんなこんなでOFFICEにて授業準備をしていたところ、
新2年生になったある生徒がやってきた。
前の学期で陸上の授業を持った時のクラスの生徒で、
彼は人一倍の負けず嫌いなのだが、その反面
敵わないとわかると諦めの早いところもある生徒であった。

前学期のある日、個人的にウエイトトレーニングを
教えてほしいと私のところにやってきた。
そこで、十分なトレーニング機材がないところ、
あるものをなんとか組み合わせてベンチプレスを教えた。
最初はもちろんフォームも滅茶苦茶で危なっかしかったが、
(作った機材が不安定で危なっかしいのもあるのだが…)
何度か日を重ねるうちにそれなりのフォームになった。
その生徒がOFFICEにやってきて、また個人的に
ウエイトトレーニングを教えてほしいと言ってきたのだ。

そして今回もベンチプレスをやってみたのだが、
一言で言うと、スゴくなっていた。驚いた。

技術的に上達している他、拳上重量も上がっていた。
そこでよくよく彼の身体を見てみると、
大胸筋だけやけに発達していた...ように見えた。
多分筋肥大していたんだと思う。

この長期休暇の間に一体何をしたのか彼に聞いてみると、
ベンチプレスのシャフトをそこら辺の鉄パイプと石膏を接着して作り、
ベンチプレス台も自作してトレーニングをしたとのことであった。

うちの生徒は筋力トレーニングに対する関心が高い。
もしかしたらうちの生徒だけに限らないのかもしれない。
マラウィアンの男性は強くなりたいという願望を誰しもが
持っているように思う。

彼もそれなりにはやると思っていたが、それでも
あの彼がそこまで本気でやるとは思っていなかった。
同時に、負けず嫌いで諦めが早いと完全に決めつけていた
自分が情けなくなった。しかしそれ以上に、いい意味で
期待を裏切られた分嬉しかった。

今回の件で、トレーニング種目さえ教えれば、
何だって自分らで頭を捻って自作して
教育現場に反映してもらえるという手応えを掴んだ。
しかし、これだけでは手放しでは喜べない。
ウエイトトレーニングを教育現場に取り入れるということは
どうしても危険が隣合わせることも認識しておかなければならない。
どう安全に行うかを第一に考えて教えていく必要がある。
いづれは安全なトレーニング機材の作成方法についても
教える必要があると思っている。また、その他にも、
トレーニング前後に必ずやる必要のある清掃は
徹底的に定着させたい。
耳にタコができる程言ってきたウォーミングアップと
クーリングダウンは定着しつつあるも、これを機に
さらに徹底的に定着させたい。

逃がさないぞ。。w

早くも新年度やるべきことが定まってきて
なんだかテンションが上がっている中、
早速明朝6時から生徒とウエイトトレーニング。
しかし、何故に何時からトレーニングしたいかと聞くと
毎回早朝を設定してくるのだろう。

朝弱い自分としては大変ツライのですが。。


2012年10月4日木曜日

よく悔やむことと、そこからの学び。

社会人以降、よく悔やむことがある。
それは、学生時代、他のスポーツを専門にする友だちを
たくさんつくっておくべきだったということである。
それができる環境であったのに、その重要性を軽視し
それをしようとしなかったことが今になってとても悔やまれる。

私の学生時代の専門は体育・スポーツであった。
大学入学当初、全国各地から一つの場所に集まる私たち
体育専門学群約200人の中でまず最初に友だち関係を
形成していくのは同じスポーツを専門にするもの同士。
その後、同じ部活動内では友だちの輪が広がっていく。
しかしその先、異なるスポーツを専門にする人同士に
至るまで友だちの輪が広がっていくかと言えば、違う。
それができる人は極端に少なかったように思う。

大学1年の時は特に体育専門学群同学年全員共通の
授業が多かったように思うが、それでもつるんでいたのは
いつも同じメンバー。
同じスポーツを専門にする、
同じ部活動の固定メンバーである。

確かに、居心地がよかったのかもしれない。
部活動で一緒にトレーニングに励み、
その後一緒に夕食を食べに行き、
同じ学生寮に帰り、同じ大浴場で湯に浸かりながら
互いに悩みを打ち明けたり、バカ話をしたり、
夢を語ったりする。
浴場で語り足りなかったら部屋に持ち帰ってまた語らう。
そうやって、また来る明日に向けて生気を養う。
そんな毎日を繰り返していたら、
自然と普段一緒にいるメンバーが固定化されてくるのだろう。

入学当初は、全くの新しい環境で、
しかも初めての一人暮らしだったこともあり、
その生活に慣れるだけでも大変だったことを記憶している。
それはそれでしょうがなかったと思う。

しかし、2年生以降どうだったかというと、
それはしょうがないと言う一言では片づけられない。
私と同じように思っている人を含める私たちは、
自分の専門に浸りきることに没頭する余り、
自分の可能性を広げる作業を二の次にし、
そのまま何時来ることもない機会をミスミス逃してしまった。

より深く掘り下げるには幅を広げることも
必要だということに気付かずに。
幅を広げるための材料が
近くに転がっていることに目を向けずに。

もし、他のスポーツを専門にする友だちの
トレーニングや試合を観ることができていたら、
もし、他のスポーツを専門にする友だちと
互いの競技について語らうことができていたら、
自分相手双方のトレーニングの幅が広がり、
その分これまで到達できなかった深みに達することが
できたかもしれない。そしてそれは互いの
競技の世界が足を踏み入れたことのない領域に
一歩踏み出す礎になっていたかもしれない。

またその影響は私たち自身が現役の競技者から
退いた時にまで及ぶものでもある。
体育専門学群の卒業生で教師になる人は多い。
教師になった時にはもちろん深みも大事だが、
どちらかというと幅が必要になるのではないだろうか。
今私が体育の教師をやっていてヒシヒシと感じることだ。

こんな私でも、以上の後悔から学んだことがある。
もし自分の周りに自分の専門を持つ人間がいたら、
その専門についてよく話しを聞いてみることだ。
その人が、今までの自分の人生にはカスリもしない
専門を持つ人間だとしても、その専門についてよくよく
話しを聞いてみること。自分がこれまで知らなかった
世界を知ることになって、それが幅を広げる作業になる。
そしてそれは、知れば知るほど面白いものだと思う。

幸いにも、青年海外協力隊というのは、
様々なことを専門にしている人たちの集まりだ。
これまで家畜飼育の話なんて聞いたことがなかった。
これまで地質学の話なんて聞いたことがなかった。
これまで野菜栽培の話なんて聞いたことがなかった。
まだまだ序の口しか聞けてない、というか、
聞いても理解できないことばかりでなんだか
聞くのも申し訳ないけれど、こういう話を聞いてると
楽しい。

普段バカばっかりやってるやつが
いざ自分の専門の話となると真剣になったりもして。

その人の専門のことを聞くことで、
相手のことも本当の意味でよく知ることができる
んだろうなとも、思ったり。


2012年10月1日月曜日

上期と共に雨季の始まりか。

一昨日は友だちを家に呼んで牛タンパーティー。
牛タンはマラウイではあまり価値がないらしく、
とても安く購入できる。
確かに、見た目グロテスクな状態のままで売ってるし、
人気なさそうなのもわからなくもない。
結局4人で一頭分の舌をいただいた。炭火焼で。
レモンを入手できなかったのが残念極まりなかったけど、
充分美味く楽しかったからよかった。再訪Welcome!

一昨日のパーティから一夜明けた昨日、
みんながそれぞれの場所に帰った後、
久しぶりに、本当に久しぶりに雨が降った。
マラウイには乾季と雨季がある。
これまではしばらく乾季だったのでこの雨に新鮮味を感じた。
雨季は暑くなる。。
最近朝起きるとドッと汗を掻いてる。
寝苦しい時期到来である。
一昨日も結局一日中扇風機をまわして寝たし。
それでも日本の変な暑さよりはマシかなと思う。
そういや日本はそろそろ残暑も終わって涼しくなってくる頃かな。

上期も昨日で終わり、今日から下期。
最近は大企業と言えども日本は本当に油断できない状況に
なってきてるんだなと、ネットのニュースから窺い知ることができる。
東日本大震災後、世界中の価値観が目まぐるしく
変化している中、うちもいつどうなるかわからない状態に
あることは承知しておかなければならないと思う。
良い意味で危機感を持つことは必要なことだ。
そう、会社で教わっている。
そして、こういう時だからこそ、いざと言うとき
一人の会社人として周囲をあるべき方向へと導くことのできる
吸引力のある人間が必要なんだと思う。
そのために今できること、今しかできないことに
限りある大切な時間を使っていけたらいい。