大学からTeaching Practiceの出張を命じられ、
先週1週間泊まり込みで行ってきた。
行先はマラウイで最も栄えている都市ブランタイヤ。
うちの大学には通常のプログラムの他にDistanceプログラムというのがあり、
現職教師に対する再訓練を行っている。
その現職教師の授業観察を行い、授業評価とフィードバックをすることで
普段行っている授業の質を向上させることがこの出張の目的であった。
私は体育の教師だが、体育の教師が体育やそれに関わる授業の評価をするとは限らない。
自分の専門関係無しに、その垣根を越えて様々な教科を評価するシステムになっている。
私が今回授業観察した教科の多くは、数学や生物であった。
私は実は数学が好きなので、数学の授業を見るのはとても楽しかった。
誰にも話したことはない(と思う)が、もし体育・スポーツの専門学科がこの世の中に
存在しなかったら、数学を専門にしたいと思ったこともあるほどだ。
(決して得意ではないのだが。。)
ある数学の授業の中で、三角関数を教えていた教師が、
4cm×5cm×6cmの直角三角形の4cmと5cmの2辺が挟む角度を求めなさい
という問題を出していた。 …?? おかしい。。
そもそも、4cm×5cm×6cmの3辺では直角三角形にはならない。
この間違いには直ぐに気付いたが、生徒の前で教師の間違いを指摘することは
教師のプライドを傷つける上に、教師-生徒間の今度の信頼関係を壊しかねないと思い、
授業後に、その教師と2人の時に間違いを指摘し、
次の授業の時に訂正するようにお願いをした。
また、生物の授業では、繁殖について教えていた教師がいた。
対象は男女、13-14歳程の生徒だろうか。
キーワードは、精子、卵子、子宮、月経等であり、
教師はなんてことなくサクサクと授業を進めていたようだったが、
生徒はなんとなく困惑したというか、落ち着かない雰囲気であった。
ちょうど思春期をむかえている生徒たちが対象なので仕方がない。
教師が質問してもなかなか手が挙がらなかったり(普段はよく発表する)、
グループでの活動が何かぎこちなかったり(普段はもっと賑やか)。
しかし、教えていることは思春期の彼ら彼女らにとっては特に重要なこと。
ここで教師の手腕が試されるんだなぁ、と思いながら授業を観察した。
なかなか他の教科の授業を見るのも面白かった。
私が体育の授業を計画する上で特に重要だと思っていることは、
生徒自身の活動時間をできる限り多くとることである。
生徒が深い理解に到達するためには、
生徒自身の主体的な活動がどうしても必要だからだ。
これは他の教科にも当てはまることだと思う。
しかし、教師の中には教師⇒生徒への一方的な教授のみのスタイルを
とる(とってしまう)教師もいた。それだと生徒が深い理解に到達できない。
生徒自身による主体的な活動が深い理解にまで到達させる手段となるため、
本来はそういった時間を計画の中にできるだけ多く組み込むべきと思った。
しかし同時に…、
それは簡単なことではないのだろうとも思った。
というのも、以前同じJICAボランティアの理数科教師と活動の話をした際に、
彼ら理数科教師が膨大な量の教授内容を背負っていることを知ったからだ。
さらには卒業時にはかなり難しい試験が待っている。
それに向けて、教授範囲は確実に教え切らなくてはならないし、
試験対策もしなくてはならない。そのための補講をしている隊員も
中には結構いるようなのである。
こういう現状を知ってしまっている状態での授業評価だったので
実は評価しづらかった部分もあった。
が、そんなことばかり言ってては自分がここに来た意味がないとも思ったわけで、
余りにも一方的と思える教授スタイルをとっている教師に対しては、
もっと教師-生徒の双方的な授業になるよう促した。
授業はコミュニケーションが大事。
教師の身体の向き、視線、表情、声のトーン、生徒の表情を
よく観察しながら柔軟に授業を展開していけるように、と。
また、そう助言しつつも、普段の自分の授業は将来ここマラウイで教師を担う
生徒の目にどのように映っているだろうかとも思った。
自分の授業スタイルを今一度見直すいい機会なので、
よく考えてみようと思う。
それにしても、普段話すことのない同僚の先生たちとも
辞書片手によく話した1週間だった。
何を聞かれてるのか理解できず、会話ストップということもしばしば。。。
聞き返しもしばしば。何を言っているか理解してもらえないこともしばしば。
それでもなかなか心が折れなくなってきたのはある意味での成長
と言えるかもしれない(笑)
とばかり言ってられないので..さて、英語勉強しよう。。;
※ 出張中、日本に帰国した夢を見ました。
バカみたいにはしゃいでる自分がいました。
啓太様
返信削除出張お疲れ様です。
頑張ってるみたいですね。
帰国したら、得意の手料理喰わせてください!
平