2011年12月12日月曜日

お隣さんジンバブエという国

もしも今日、インフレを抑えるための政策として、
『国中全ての物価を半分にすること』という政策が打ち出されたら
みなさんはどうするだろう。

おそらく、特売セールと喜び買い物に行ってあらゆるものを
買いあさるのではないだろうか。これは買う側の視点。

では売る側はどうするかと言えば、原価割れで売れば売った分だけ
赤字になるので商品を引っ込める。これが普通だと思う。
引っ込めた商品は闇に回り、高い価格で取引される。
おそらくはこの政策が出される前よりも高い価格で。

物は慢性的に不足した状態になり、医師等の貴重な人財も
生活が苦しくなるため海外に流出する。
国としては崩壊への一途を辿ることは明らか。
しかも、これは影響のほんの一部でしかない。

原価も考えずに物価を半分にしたらこういうことになることは
目に見えている。

しかしこれは、2007年(わずか5年前)にマラウイのお隣
ジンバブエという国で現実に起こったこと。

1960年代以降、アフリカ諸国は次々と植民地からの独立をはたしていった。
ジンバブエもそのうちの一つで、当初は白人大規模農場も黒人零細農家も
高い生産力を持っており、余剰農産物が近隣国に輸出されて外貨収入の
多くを稼ぎ出していたほど完璧に近い農業基盤があったそうだ。
しかし、独立以降、何を思ったか大統領が当初農業基盤の神髄を支えていた
白人大規模農場を武力で差し押さえをした。
ジンバブエの土地を返せ、と言った意味なのであろう。
その後完璧に近かった農業は管理ができない状態になり、腐敗し、
国内に飢えが広まったという。インフレ率は実に16万%超。
卵1個10円だったものが1万6000円になったということ。
とても信じられないが。。

政治家一人の後先考えない言動が国一つを不幸にした事例。
政治、経済に疎い自分がなんだか平和過ぎてて情けなくなった。

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